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  • 冬靴は“お守り”

    北海道に来ると、
    「冬靴は必須だよ」とよく言われる。
    たしかに、
    滑り止め付きのゴツい靴は、見るからに頼もしい。
    もはや“靴”というより“装備”に見える。
    ただ、
    本当に必須か?と聞かれたら、答えはNOだと個人的には思う。
    車はスタッドレスでないと絶対に走れない。でも人間の場合はそうでもない。
    丹田に力を入れ、すり足で、歩幅を小さくして歩けば、意外となんとかなる。
    ツルツルの急坂はさすがに厳しいが、
    普段の生活圏なら、
    歩き方でかなりカバーできる。


    実際、単身赴任1年目の冬は、
    冬靴なし・丹田、すり足、歩幅小で乗り切った。
    2年目は転勤する先輩から
    履いていない冬靴をもらい、今はそれを履いている。
    履いてみて思った。
    たしかに安心感は、ある。
    なぜか北海道民になった気分にもなる。
    ただし、
    冬靴を履いていても、
    マンションのエントランスは普通に滑る。
    どんな靴でも、油断したら終わりだ。
    結局、
    冬靴を履いていても、
    丹田に力を入れて、すり足で歩幅を小さくして歩いている。
    そう考えると、
    北海道の冬靴って、
    「絶対に必要な装備」というより、
    “お守り”みたいなものなのかもしれない。
    持っていると安心する。
    でも、頼りすぎると、だいたい転ぶ。
    ちなみに靴裏を見てみたら、
    しれっと「MADE IN ITALY」とか書いてあった。

    どうやら私は、知らぬ間にイタリア製のお守りを履いていたらしい。
    ありがとう先輩。
    高そうなお守りを。