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  • 夜中に始まるV作戦

    外がうるさい。夜なのにうるさい。

    二重窓なのに、低い機械音がじわじわ

    部屋の奥まで染み込んでくる。

    外を見ると、、、

    なにこれ。すごい光景。

    道路の上を、ダンプと除雪車が

    ゆっくり進んでいる。

    先頭を走っているのはダンプ。

    そのすぐ後ろに、除雪車がぴったり張り付いている。

    除雪車の前方から、白い塊が勢いよく

    吐き出されて、そのままダンプの荷台に

    吸い込まれていく。

    ノロノロ運転なのに、吐き出される

    雪のスピードだけやたら速い。

    このスピード感のズレが、

    妙に気持ちいい。音もすごい。

    ズゴゴゴゴ、ゴォォォ……みたいな、

    腹の底に響くタイプのやつ。

    ダンプはただ前を走っているだけじゃない。除雪車の位置に合わせて、

    微妙にスピードを調整しながら

    進んでいる。息ぴったり。

    連携プレーの完成形。

    除雪車がガンタンクなら、

    ダンプがガンキャノン。

    派手さはないけど、泥臭くて、

    確実に仕事を終わらせるコンビ。

    北海道に来て思うけど、

    ここは人だけじゃなくて、

    作業そのものが進化してる。

    それにしても、夜中にこんなV作戦を

    見せられたら、テンション上がるのは

    仕方ないと思う。

    観光パンフレットには

    載らないけど、住んでる人だけが

    見られる雪国のボーナスステージでした。

  • 冬靴は“お守り”

    北海道に来ると、
    「冬靴は必須だよ」とよく言われる。
    たしかに、
    滑り止め付きのゴツい靴は、見るからに頼もしい。
    もはや“靴”というより“装備”に見える。
    ただ、
    本当に必須か?と聞かれたら、答えはNOだと個人的には思う。
    車はスタッドレスでないと絶対に走れない。でも人間の場合はそうでもない。
    丹田に力を入れ、すり足で、歩幅を小さくして歩けば、意外となんとかなる。
    ツルツルの急坂はさすがに厳しいが、
    普段の生活圏なら、
    歩き方でかなりカバーできる。


    実際、単身赴任1年目の冬は、
    冬靴なし・丹田、すり足、歩幅小で乗り切った。
    2年目は転勤する先輩から
    履いていない冬靴をもらい、今はそれを履いている。
    履いてみて思った。
    たしかに安心感は、ある。
    なぜか北海道民になった気分にもなる。
    ただし、
    冬靴を履いていても、
    マンションのエントランスは普通に滑る。
    どんな靴でも、油断したら終わりだ。
    結局、
    冬靴を履いていても、
    丹田に力を入れて、すり足で歩幅を小さくして歩いている。
    そう考えると、
    北海道の冬靴って、
    「絶対に必要な装備」というより、
    “お守り”みたいなものなのかもしれない。
    持っていると安心する。
    でも、頼りすぎると、だいたい転ぶ。
    ちなみに靴裏を見てみたら、
    しれっと「MADE IN ITALY」とか書いてあった。

    どうやら私は、知らぬ間にイタリア製のお守りを履いていたらしい。
    ありがとう先輩。
    高そうなお守りを。